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2007年12月22日 (土)

「焼け野の雉子(きぎす)夜の鶴」~母と子の絆

先日(07/12/18)のNHKラジオ深夜便「こころの時代」で、「動物の暮らしに学ぶ 日本動物愛護協会理事長 元上野動物園園長 中川志郎」を聞いた。
動物の世界をもとに、人間の姿について、なかなか面白い話が聞けた。話の要約を少し書いてみる・・・・。

・最近人間の親殺し、子殺しという話を聞くが、動物学的には、動物の世界で親が子供を害するという例は、ほとんどない。
・子育てについて、人間は本を読んだりして情報を得、勉強することができるが、動物は親子代々受け継がれて来た手法しか無いため、それから外れない。
・「焼け野の雉子(きぎす)夜の鶴」という諺があるが、これは野火が起きて火が近付いて来たときに、雛を抱いていたメス雉(きじ)が、逃げればよいのに逃げないで焼け死んでしまう。火が去った後で、親の死骸の下から雛を出てくる・・・。というのが実際にあるそうです。動物は、子供を守るために、子供を育てるために親が全力を尽くすというのは、理屈でも道徳でも倫理でもなくて、子育ての手法として遺伝子的に受け継がれていて、それ以外のことはできない。
・人間の赤ちゃんの離乳食は、昔はお母さんが口で噛んで、それを自分の唾液と共に子供に与えていた。しかし今は、市販の離乳食が発達してきて、そんなことは野蛮だということになった。これは、動物学的に言うと、親の心を子供に伝えるという、もう一つの面が失われてしまう。親と子の絆・・・・。
・動物の赤ちゃんは、生まれたときにお腹の中に消化酵素のようなものがない。従って「糞食(ふんしょく)」といって、親の糞を食べることによって、そこに含まれている良好なバクテリアとかを体に入れる。これは、カバとか象とかの草食動物にとっては不可欠なこと。これらの動物を見ていると、子供は離乳する前後に猛烈な勢いで糞を食べる。糞を食べさせないと、子供はたちまち下痢で起こしてしまう。つまり糞食が、母親が腸の中にもっている良好な繊維を分解するバクテリアをどうやって子供に伝えるかという手法として、子供の仕組みの中に入っている。
・赤ちゃんは、母親のお腹にいるときは、羊水に浮かぶ水生動物である。それがオギャーと生まれた途端に、空気を吸う動物に生まれ変わる。その時、子供はものすごい不安感にさいなまれるという。それを防ぐのは母親の抱擁である。子宮は、母親の体の中にある“抱っこ”である。外で抱く“抱っこ”というのは、安心感を子供に与える第二の子宮である。よって、赤ちゃんへの抱擁というのは、極めて重要である。
・動物の赤ちゃんは、最初は、親が舐めてあげないと、オシッコもウンチもできない。尿閉といってオシッコが詰まってしまう。ウンチもそうで、親が舐めることによって、その刺激でウンチが出たりオシッコが出たりする。それを親が全てなめとってしまう。それを1週間位続けていくと、自然排便・排尿が自分でできるようになる。また母親が毎日なめとってしまうので、子供の体調を本能的に直ぐに知ることができる。
・最近の若いお母さんは、“赤ちゃんのウンチは汚いと思いますか?”という質問に対して、6~7割の母親は“汚いと思う”と答えている。昔のお母さんは、今のような紙オムツではないので、赤ちゃんのウンチをタライで洗う。そこで赤ちゃんの体調を知ることができた。最近は紙オムツで、すべて吸い取ってしまうので、分かりづらい。せめて見れば良いのだが、汚いと思うと見る事もせずに捨ててしまう。赤ちゃんの本当の健康のバロメーターを無駄に捨ててしまう事になり、赤ちゃんとの距離が問題だ。
・赤ちゃんがおっぱいを飲むとき、赤ちゃんの唇が乳頭に触れる。母親は乳輪に触れたという感覚が脳下垂体に行く。するとそこから母性愛ホルモンというが出る。そうすると、道徳とは倫理とか関係なく、目の前にいる子供が可愛くて可愛くてしかたない、という風になる。この子のためには命を投げ出しても惜しくはない、という風になってしまう。生理と心理は表裏一体。
・最近の若いお母さんが、自分の子供はどうしてもかわいいと思えない、と小児科医に相談に来るケースが増えているそうだ。そこで聞いてみたい。本当に自分のおっぱいを吸わせて子供を育てているのか?と。哺乳瓶を使っているのかも知れないが、人間の歴史始まって以来の、赤ちゃんを抱きしめるという自然のやり方と関係がある。
・イギリスのことわざに「夫の愛情は妻の乳の出を良くする」というのがある。

実を言うと、自分はこの話に出てくる「焼け野の雉子(きぎす)夜の鶴」という諺を知らなかった・・・。

映画「サラエボの花」もそうだが、何だか最近“親と子と絆”が気に掛かる・・・。
手前味噌だが、先日、息子の生活状況の視察(?)にカミさんが九州に行ったが、これもそれなのかも知れない・・・。

まあウチの場合は息子共と「音信不通」が日常的。それは良いとして、せめて何かあったときの駆け込み寺という位置付けだけは保っておきたいもの・・・と、カミさんと話している・・・。


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