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2007年10月31日 (水)

利他心について(その2)

先日書いた「ラジオ深夜便 こころの時代 5号」の遺伝子学者 柳澤嘉一郎氏の「利他心はどこからくるのか(P12)」についての続きである。このお話は、全文引用したいくらい良い話が多い。以下、引き続き自分の心に残った話である。

「動物の本能と利他心」
・・・・子猫が水の中に落ちたとき、親猫が飛び込んで助けようとする。しかし、これは遺伝子の立場から考えると、利他心ではないというのです。子猫は親猫の遺伝子を受け継いでいますから、子猫を救うことは、自分の遺伝子を継続させることになる。言い換えれば、利他心に見えても実際には利己心であると言うのです。ここから、生物の個体は遺伝子にとって、単なる乗り物だという考え方が出てきます。遺伝子はさまざまな個体を次から次へと乗り換えていって、自分だけが生き残ると。しかしこの考え方には、私は違和感を覚えます。あまり下等なものはともかく、高等な哺乳類のような動物なら、利他心はあると、私は考えています。

・・・自分の遺伝子とは全然関係のない、他の種を助けた話もあります。2004年のスマトラ沖地震の時、象が人を助けた話があります。タイのリゾート地には、観光客を背に乗せる象がいます。その象が、津波の来る前に、内陸へ向かって逃げ出し、その途中で人を鼻で巻き上げて背中に乗せたと言うんです。そのとき、象は人と助けようとしたんだと私は思うわけです。象の利他心です。
また、これはアフリカのサイの親子の話ですが、子どもが水を飲もうとして沼地にはまってしまい、抜け出せなくなった。親サイは一生懸命助けようとしたけれど、どうしても助けられない。あきらめて去りかけたところへ、たまたま象がやってきて、鼻で子どものサイを一生懸命引き上げようとした。それを見た親サイが象に突っかかっていったので、象は脇によけてしばらく見ていたが、結局親サイは子どもを助けられず、あきらめて去ってしまう。すると象は、また戻って子どものサイを助けようとした。そういう行動を見ると、動物にも利他行動の遺伝子があって、それが進化の過程でヒトに受け継がれてきているのだと思います。・・・・

「親子の絆と信頼関係」
・・・多くの心理学者は、幼児にとっていちばん大切なのは母親とのコミュニケーションで、3歳ごろまでに受けた母親の愛情が、人間を信頼する心情が育つ基本になっていると考えています。お母さんが子どもを育てるときのスキンシップや授乳といった行為が、親子の絆を強めていく。その行為を十分受けた子供は、他人を信頼する気持ちが豊かに育まれていきやすいと言われています。
かつてハワイの小さな島々では、大人になっても島を出ていかない人が多かった。そこで子供のときから大人になるまで、どういう人がどういうふうに育つかということを、長期間追跡調査した結果があります。結論は、子供の時にあたたかい愛情の中で育った人は、やはり温かい人間になるということでした。その調査結果によると、必ずしもお母さんでなくてもいいですね。お母さんのスキンシップは非常に大切ですけれど、おじいさんでもおばあさんでも、誰かかわいがってくれる人が一人でもいれば、子供は非常に穏やかに育つんだそうです。・・・・・

・・・・相手の立場を理解することができるようになる6歳くらいまでの間は、母親だけでなく、周囲の人たちとの温かいコミュニケーションが性格形成に大きな影響を及ぼすとされています。例えば、暴力犯罪など粗暴な行為をした人は多い家系に子供が生まれたとします。そういう子供でも、幼児期に温かい愛情で包んで育てると、穏やかな性格の大人になることがわかっています。

話は変わるが、自分が子供の頃(大学に入って家を出るまで)、親父にいつも言われた言葉は・・・・
「お前は心掛けが悪い。幾ら勉強が出来ても?、それではダメだ」「お前は、感謝の気持ちが無い」・・・・
当然反抗心旺盛な自分は、言われたことの逆の態度をして、いつも親父からぶん殴られたものだった。
・・・・はたして、自分と親父とは「親子の絆」があったのだろうか・・・。

親父が亡くなって11年・・・。既に親父と張り合う事も出来ず、また自分は還暦を迎えてサラリーマンとしても「付録」の段階に入ってきた。
あの頃の「鎧(よろい)と鉄兜の自分」が懐かしい?と共に、一度でも良いので、親父と腹を割った話をしておくのだった・・・・と思うこの頃ではある。

(関係記事)
利他心とアーミッシュ


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コメント

原則はその通りでしょうが、幼い頃の娘とは、あんなに親しくしていたのに、親の怖さを一切知らせなかったために、自己中心と高慢を与えてしまったかと、少し後悔しています。子供を育てるのは、本当に難しいものだと思います。

投稿: 志村建世 | 2007年11月 1日 (木) 18:16

志村さん

ウチは息子が二人だったので、まだ分かったような気がします。自分は娘だったら分からない・・・・。
逆にカミさんは男の子だから分からん・・と言っています。
子供とは言え「人間」ですから、育てるのが難しいのは当然のような気がします。

投稿: エムズの片割れ | 2007年11月 1日 (木) 22:33

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