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2007年8月14日 (火)

映画「不都合な真実」を見た~地球温暖化を考える(1)

元米副大統領のアル・ゴアの、地球温暖化に警鐘を鳴らしたドキュメンタリー映画「不都合な真実」を見た。前に映画館に見に行く話もあったが、何となく行きそびれて、レンタルDVDで見た。

この映画は、文部科学省特選や、第79回アカデミー賞においての最優秀長編ドキュメンタリー賞受賞など、話題の多い作品らしい。
まず、この様な内容のドキュメンタリーが、無料のTV番組ではなく、観客がお金を払って見に行く「映画」として、興行的に成り立っている事にビックリした。
TVのドキュメンタリー番組を良く見る自分としては、内容的には「NHK BS1」の「世界のドキュメンタリー」なんていう番組で放送されるような作品に思えた。
内容的にも、ゴア氏の「地球温暖化」に対する講演を、そのまま映画に撮ったもの。もちろん分かり易く、グラフや自分の生い立ちのエピソードなどを散りばめているが、メインはあくまでゴア氏の「地球温暖化」に対する「講演」である。

少し横に構えて、批判的に映画を見た。まず最初の、近年のCO2(二酸化炭素)の増加量と、気温上昇の関係の説明では、センセーショナルな表現に疑問を持った。何より、近年急激にCO2のグラフ線が上昇するが、肝心なグラフの「値」がない。「今までCO2は300PPMを越えたことが無いのに、これから大きく越える・・・」と解説していたが、増えるという具体的な値を示さず、単にグラス線の上昇だけを強調している手法は好かない。まあ演出なのだろうが・・・(ちなみに、地球の大気組成は、窒素78%、酸素21%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.032%、(水蒸気1~2.8%))

気温上昇の予測でも、現在の地球の平均気温14℃が2.5℃上がったとすると、北極では6.5℃上がる。・・・そして、今も氷が溶けているグリーンランドの全体が崩れるか、グリーンランドの半分と西南極が半分ずつ崩壊すればこうなる・・・。と世界地図で水没する地域をセンセーショナルに表示していたが、どうもこの手法も好かない。
何m海面が上昇すればどうなるかは、誰でも幾らでも分かる。よって、何をもって温度が何度上がるので、そうなると水面が何m上昇し、地図で示せばこうなる・・・。と、それらの関係がもう少し分かる説明が欲しかった。

しかし各地の氷河が溶けて後退していることは事実だし、「CO2の年回排出量のほぼ30%は森焼き(焼き畑農業)によるものだ」という事実にはビックリ。
特に焼き畑農業は、地図でアフリカの赤道の南部・北部、マダガスカル、ミャンマー、オーストラリア北部、および中米に集中している。これを食い止めるだけでもCO2の排出量は大分違う・・・。これが大きいのが分かっているので、何とか手はないのか・・・?(実際には、衛星写真で場所を突き止めて違法を摘発しているとも聞くが、取り締まりが追い付いていないらしい)

そして面白かったのが、車の燃費。EUは2010年には日本の基準に追い付き、その後日本を抜くという。07年でグラフを見ると、日本の47、中国の35に対して米国は24のレベル(単位不詳)。だから米国車は中国でも売れない。全ては政治のせい。車の業界が圧力を掛けるから。しかし、それが原因で米国車は成功していない。・・・・

・・・とまあ色々あるが、少なくともゴア氏が“何とか世界に地球温暖化への警鐘を・・・”という願いは伝わってくる。
しかしゴア氏の地球温暖化への信念が、1000回を越えるという世界中での講演も含めて、ここまで見える形に出来るのは、元副大統領だったから? それとも2000年の大統領選で、あわや大統領当選・・という所まで行ったから?

ともあれ、もし今の米国大統領がゴア氏だったら、現在の米国のイラク戦争も様相が変わっていたかも知れないし、環境問題も大いに変わっていたかも知れない。
そして、ゴア氏が指摘しているように「全ては政治」というもの事実。ゴア氏はその政治を動かすべく、世界中の世論に喚起すべく飛び回っている・・・。
せめてもの救いは、その呼び掛けにこの様に金を払って映画を見に行く人達がたくさんいる事・・・。
柏崎原発が止まって日本は現在ピンチではあるが、まあこれを機に、我々は少しでも分別回収に協力しようではないか・・・。チリも積もれば・・・・
(でも大量消費国の米国で、日本のような分別回収をするとは、到底思えないな~)

(関係記事)
地球温暖化を考える(2)~その基礎知識


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コメント

トラックバック、ありがとうございます。
このような生真面目な映画に、たくさんの人がお金を払うということは、ゴア元アメリカ副大統領の格なんだと思います。
 
大袈裟だという可能性もありますが、誰かが問題提起して、できるだけ数多くの人が、その問題を認識することで、将来の危機を回避できるということもあるのでは、と思っています。

投稿: エカワ | 2007年8月16日 (木) 18:17

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