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2007年5月13日 (日)

個人としての日中友好

最近、カミさんがずっと見ている「関口知宏の中国鉄道大紀行」(NHK hi で日曜日の昼に放送)という番組を、自分も一緒に見だした。
俳優・関口知宏が、中国の鉄道を一筆書きの最長ルートで巡るという旅番組。今日は石門県だった。
関口知宏の体力も大したものだが、その屈託のない人柄にも支えられ、まさに“個人的な日中友好を果たしているな・・・”と、良くカミさんと話す。

この前の5月連休に、カミさんが趣味でやっている中国語を実際に使ってみたいと言うので、上海に行って来た。
旅行というのは「意義」を考えるものではないが、今回の上海行きは、「日中友好」について色々と考えさせられてしまった。

きっかけは、蘇州の寒山寺に行ったとき、ガイドさんの「このお寺は、日中友好で日本からの寄付が多いお寺だ。この賽銭箱も日本からの寄贈。あの鐘も伊藤博文と書いてある・・・」という説明からだ。この時に初めて日中友好という言葉を聞いた。

それまではあまり気にしなかった日中友好という言葉だが、夕食時にツアーで一緒になったご夫婦の奥さんが、レストランに冷えたビールが置いていないと聞いて、「この国ではビールを冷やさないで飲んでいるの?」と言った。
中国語を勉強しているウチのカミさんが、「中国では体を冷やすのは良くないので、ビールも冷やさないで飲むのが普通・・・」と言うと、信じられない・・・といった顔で怪訝そうにしていた。
そして自分が紹興酒を頼むと、そのガイドさんが「“日本人のために”、暖める事も出来るし、砂糖も用意してある」と言う。
そして帰り掛けに、先ほどの奥さんが「残ったものが勿体ないので、持って帰りましょうよ。お金は払っているのだし・・・」とガイドさんに料理を持ち帰るパックを要求。ガイドさんは仕方がなさそうに店に交渉した。

後でカミさんに言われた。
「中国の人は、日本人を良く思っていない。それを前提に行動しないと・・・。日本の価値観を持ち込むと中国の人は気を悪くする。そして、どんな些細な言葉も、ガイドさんは聞いている・・・」
確かに歴史的にはその通りだと思って、自分もそれからは気をつける事にした。

思い出すと、1970年代、会社で中国・上海に建設した宝山製鉄所の仕事をした事があった。その時に工場に中国の方が勉強に来られ、教えた事があった。
その時、門から玄関までを関係者総動員で列んで拍手で迎えたが、その時はその意味をあまり考えなかった。しかし、今にして思うと、その意味が良く分かる。
歴史的に日本が中国に対してした事の数々は、消えてはいない。

それに気が付いてからの我々の旅行の“合い言葉”は「日中友好」となった。

ホテルの室内掃除に来てくれた少女に、お礼にと、カミさんが日本の安いシールをあげたら、はにかみながらも喜んでくれた。日本では、このような無垢な少女はいない・・・

タクシーに乗ったときに、カミさんが何やら運転手さんに声を掛ける。運転手さんはビックリしながらも嬉しそうに言葉を返してくれた。
後で聞くと「今日は良い天気で、暖かくなって良かったですね」という意味のことを言ってみたのだという。運転手さんは、発音を直してくれながらも、一緒に会話に付き合ってくれた。そして片言の日本語で「アリガト。サヨナラ。・・・」と自分が知っている日本語を言ってくれた。
これもドブ板の日中友好活動かも・・・・(別に活動をしに行ったわけではないが)

カミさんが言うには「日本を歴史的に良く思っていない中国の人に近付くのは、言葉が第一。こちらから中国語を覚えて仲間に入って行くしかない」と言う。その通りだと思った。
それからは自分も、ガイドさんにも事ごとにキチッとお礼を言い、見学した後には、良かったときにはキチッとそれを表現した。ガイドさんにとっても、自分達の文化は誇りなのである。

しかし歴史的に、ガイドさんも日本語を覚えるにあたっては、大変な葛藤・軋轢があったのではないかとも思った。
そして、少なくても中国では、それだけ重いものを持っている人たちに対して、“日本の常識が世界の常識”という奢った観点で軽口を言う事だけは避けようと思った。
そして今回の旅行では、自分としては自分で出来ること、すなわち「謝謝(シェシェ)=ありがとう」だけは連発したつもりだ。

「日中友好・・・・・・」
自分にとっては遠い言葉だったが、何か考えさせられた旅ではあった。
そして、個人でも歴史の埋め合わせは少しは出来るのではないか・・・とも思った。

来年は、どうも北京に行くことになりそうである。
日中友好のためではなく、カミさんが中国語が通じたので嬉しくなって・・・・


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