« キューピーの招待でサントリーホールに行ってきた | トップページ | D-VHSデッキがヘソを曲げた »

2007年1月 4日 (木)

哲学者「中村元」のことば

元旦の夜にNHK教育で“NHK映像ファイル#084 あの人に会いたい「中村元」”という番組をやっていたので録画して、見た。以下はこの番組での中村元氏の発言である。

「学ぶこと少ない人は、牛のように老いる。かれの肉は増えるが知恵は増えない。(ダンマパダ)」
(ナレータ)~中村元は、漢文からの訳が中心だった仏教研究をインドの古代思想にまでさかのぼり、初めて原始仏典を現代文に翻訳しました。・・・・

「相手に対する寛容の精神というものが大事です。その点で仏教は無理に暴力武力を用いて、人に強いるということがなかった。昔は宗教が違うということになると必ず武力による闘争と裏腹になっておりました。人類の歴史において多くの宗教が現れたわけですけれど、武力によらないで説得だけによって広まったのは仏教だけである。これは西洋の宗教学者も認めております。こういう考え方が、我々の祖先の中でも生きていたと思います。だいいち聖徳太子の憲法なんかにもはっきり出ております。現在でもこれは大切な心がけじゃないでしょうか」・・・・

「人間の体は王様の飾り立てた車のように、やがて朽ちてしまう。けれども人から人に伝えられる真(まこと)の法(のり)はいつまでも輝く。つまり人から人に真理が伝えられるわけでございましょう。それは永遠の価値を持っている。という意味なんでしょう。本当の自己というのはどういうものか。誰でも人間はどこかの場所で、いつかの時点で生まれてきたわけです。そして必ず両親があったわけですね。それから育ててくれる人があった。助けてくれる人があった。その助けてくれた人の数というのは無数でございます。人間だけじゃなくて三仙草木まわりのものが何か関係を持っている。遠く考えますと宇宙の彼方から、例えば太陽が光線を送ってくる。そうするとその太陽の恩恵も受けているわけです。宇宙にあるいかなるものも孤立したものではないという思想。宇宙とつながりがあるわけです。そのつながり方が、めいめいみんな違うわけです。だから個々の自己は非常に微々たるものと考えるかも知れませんけれど、実はその内には偉大なものを秘めているわけです。ですからその偉大なものを受けていることを自覚すれば、そこで自分の生きる道はどうかということが、おのずから明らかになって実現される。ということになるんじゃないかと思うんですが」

(ナレータ)・・・原始仏典を解釈し日本語に移すことを生涯の仕事とした中村。それは2500年の時空を越え、人間ブッダの声に耳を澄ますことでもありました。

「仏教の教えというものは、この上に輝く日月(じつげつ)のようなものである。太陽や月があらゆる人を照らすように、仏教の教える真理というものは、あらゆる人に明らかなものであり、あらゆる人を照らす、というわけです。続けて釈尊はこういわれました。もしも自分が人々を導くのであるとか、あるいはこの修行者の仲間が私を頼っているとか、思うならば、私が死ぬということは大変なことであろう。しかし、私は自分がみんなを導くなんて思ったこともない。またみんなが自分を頼りにしているなどとも思わなかった。自分はただ人々のよるべき真理、真の生き方というものを明らかにした、ただそれだけなのだ。だから、なにも自分が消えて亡くなったからといって嘆き悲しむな。およそこの世のもので、いつまでも破れないで存続し続けるものは何もない。いつかは破れ消え失せるものである。その道理を私はお前たちに今まで説いてきたではないか。ただ私はそこにある一貫した真理というもの、それを説きあかしてきた。だからそれに頼れ。」
「この変転常ない世の中ではまず自分に頼るべきである。自分に頼るとはどういうことであるか。自分はこの場合にどうすべきかということを、その場合、その場合に考えることでしょう。その場合、何を判断決定の基準にするのか。それは「人間としての道」「法(のり)」インドの言葉で言うと「ダルマ」と呼ばれるものです。これを「法」」と訳しますがこの人間の理法というもの、これに頼ること。「自己に頼れ 法に頼れ」これが釈尊の最後の教えでありました。」・・・

「世界が一つになるには、理解と寛容が絶対必要である」

しばらく「中村元」研究をしてみようと思う。


« キューピーの招待でサントリーホールに行ってきた | トップページ | D-VHSデッキがヘソを曲げた »

コメント

はじめまして。関西在住の30代OL・こよみと申します☆

昨夜部屋を片付けていたら「中村元」と書いたメモが・・・

「あ、テレビ見ながら走り書きしたんだ」と思い出し、検索。

「中村元・宗教・あの人・NHK・・・」でこちらにたどりつきました。

>人類の歴史において多くの宗教が現れたわけですけれど、武力によらないで説得だけによって広まったのは仏教だけである。

そうそう、お正月に夜中一人でテレビをみていて、この言葉ににピン!ときたのでした。

いろんなことを緻密に書いておられて、素敵なブログですね。ついついあちこちクリックさせて頂きました。

これからもみんなでネット生活楽しみましょう♪(私は書くより読むほうが多いのですが・・・)

では、突然のコメントで長くなりましたが、失礼いたします。

   ゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
  るいネット:http://www.rui.jp/
   ゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゜

投稿: こよみ | 2007年5月28日 (月) 13:38

こよみさん

コメントありがとうございます。
自分も中村先生を知ったのは、ほんの1~2年前です。東洋哲学(仏教)の世界的権威・・・
先日、20年位前に12チャンネルで放送されたTV版の「中村元 私の履歴書」を見る機会があったが、その中で中村先生の奥さんが「学問以外は全くダメで、赤ん坊がお腹の中にいた時に“赤ん坊はお腹の中でも泣くのか?”と聞くんですよ!」とキャラキャラ笑っていました。
中村先生も人間だったと安心?(あまりの著書の多さに宇宙人かと思っていた・・・・?)
あまり関係ない話でしたが、今後も機会があったらぜひ「エムズの片割れ」を覗いてみて下さい。

投稿: エムズの片割れ | 2007年5月29日 (火) 11:16

>中村先生の奥さんが「学問以外は全くダメで、赤ん坊がお腹の中にいた時に“赤ん坊はお腹の中でも泣くのか?”と聞くんですよ!」とキャラキャラ笑っていました。

お返事ありがとうございます。この↑エピソード、なんだかかわいらしいですね、思わずほほえんでしまいます・・・では☆


   ゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
  るいネット:http://www.rui.jp/
   ゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゜

投稿: こよみ | 2007年5月30日 (水) 18:11

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/179901/13335615

この記事へのトラックバック一覧です: 哲学者「中村元」のことば:

« キューピーの招待でサントリーホールに行ってきた | トップページ | D-VHSデッキがヘソを曲げた »